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書いてはみたけど、続かないなぜかその6
6回目。
これでも私、かなり真面目に取り組んでます。力量が追いつかないだけで・・・(ダメじゃん)。

二次創作(仕事人2009)につき、ご注意くださいませ。
あと、そろそろ暗い感じになってまいります。こちらも、ご注意下さい。


1から読みたい方はこちら




 翌朝。出仕のために門戸をくぐると、ちょうど脇坂が通りがかった。
「おはようございます。」
 その人の良さそうな笑顔に、小五郎は脇坂がなんと呼ばれているか思い出した。大きな体に似合わず、性格はいたって温厚。子供や老人はもちろん、ゴロツキ相手にもついぞ怒った姿を見せたことのないことから、『仏の宗右衛門』と町民たちに慕われているのだ。
「おはようございます。」
 挨拶を返しながら、自分も自然に笑顔になるのに気づいた。が、その頬に傷があるのに気づいた。
「どうしたんですか、それ。」
 指摘すると、頬に手をやって、ああと笑った。
「近所の野良猫に、やられました。いつもは大人しいんですが、虫の居所が悪かったようで。」
 見るからに鋭い爪で引っかかれた傷をなで、脇坂はいててと顔をゆがめた。
 その視線が小五郎の手にした風呂敷包みに止まった。大きな包みの中身は、南町奉行所の者ならば、皆が知っている。気恥ずかしさに小五郎は、そっと体の陰に隠した。が、
「渡辺さんの奥方は、料理上手でうらやましいなあ。」
「・・・・・・う。」
 触れられたくないところを実に屈託なくはたかれ、思わずうめき声が出た。
「いやまあ、その。」
「私も、妻にするなら料理のうまい人が良いなあ。」
 大股で歩く脇坂を見ると、手にしているのはごくささやかな包み。おそらく中身は、握り飯と香の物程度だろう。
「脇坂さんは、結婚はまだでしたね。」
「はい。うちは貧乏侍だし、私はこんな無骨者だし。嫁いで来てくれる人なんて、なかなかいません。」
 脇坂は笑いながら頭を掻いた。それを見て、小五郎はもう一つの理由を思い出した。脇坂の家には、長く病を患っている母がいる。病気の親がいる貧乏侍の家に、娘を嫁がせようという親はいない。そんな事を以前、嫁と姑が話しているのを聞いた覚えがある。
「その内、いい巡り会わせがありますよ。」
 言葉がなく、そんな気休めを言ってみたが、脇坂は何も含むもののない笑顔で頷いた。
「はい。」





 しずの言葉がどうにも気になり、小五郎は書庫で調べてみることにした。
 母親のものだという巾着は、雨風にさらされていたせいで色あせてはいたが、それほど古い物でもなさそうだった。それを踏まえて過去の調書をさかのぼっていくと、二月ほど前に、それらしい事件があった。調書を作成したのは、大河原伝七。しかし、小五郎に事件の記憶はなかった。はてと考えて、そういえばその日は頭が痛いと言って休んだのだったと思い出した。なるほど、覚えていないはずだ。気を取り直し、小五郎は調書の続きを読み始めた。
 死んだのは、若い女。名はせつ、年は二十四。小料理屋で働くほか、縫い物などをして暮らしを立てていたようだ。川原に倒れているのを発見されたが、身に着けた物の乱れがないことから、流されてきたのではなく、前日までの雨で増していた水が引いてから、そこに捨て置かれたものと思われる。背中には、刀で切られた傷。財布が無くなっていたことから、物取りの犯行とされたが、下手人は上がっていない。
 せつは、身寄りのない子供たちの面倒を見ていたようで、その子供たちが、甚太としずなのだろう。せつを失った子供たちは、生きていくためにスリを働き始めたのだろう。
 取られたと思われていた財布はしかし、全く別の場所に落ちていて、触った感じではいくらかの金も入っていた。斬られて倒れた拍子に落ちたのだろうか。草に紛れてしまっては、暗闇の中では見つける事はできまい。だが、それではどうにも説明できない事がある。
 なぜ、せつの遺体を別の場所に移したのか。
 斬られた場所が、巾着が落ちていた場所ならば、ずいぶんと遠くまで運んだものだ。物取りならば、財布が取れようが取れまいが、その場に打ち捨てていけばいい。わざわざ移した。それには、理由があるはずだ。つまり、その辺りを調べられては、もしくは同心にうろつかれてはまずいことが、近辺にあるということだ。
「まずいこと、ね。」
 そのまずいことを見たか知ってしまったために、せつは殺された。そして、近くにあるのは近江屋の艀。今、抜け荷が疑われている廻船問屋の一つだ。小五郎の思考は、ごく自然に形を作っていった。
 が、いかんせん、証拠がない。先日の調査でも、おかしな事はなかった。主人の徳兵衛はじめ、使用人たちも協力的だった。もしも徳兵衛がせつの殺しにかかわっているとすれば、たいした悪党だ。おいそれと尻尾をつかませるようなことは、あるまい。
 小五郎は、唇をかんだ。しかし、とりあえずは様子を伺う事しかできそうになかった。




 自分の机に戻ると、津田があわてて近寄ってきた。
「渡辺さん、どこ行ってたんですか。探してたんですよ。」
 朝から書庫にこもっていたので、探されていることにも、気づかなかったらしい。
「すみません。」
 素直に頭を下げると、ぐっと腕をつかまれた。
「とにかく、出かけますよ。死体だそうです。」
「死体?伝七さんは、どうしたんです?」
 いつもならば、小五郎と組むのは伝七のはずである。それが、同心部屋を見渡しても、どこにも姿が見えない。
「大河原さんは、今日は病欠です。」
「病欠?」
 昨日は元気に見えたが、腹でも下したか。
「とにかく、早く。」
 せかされながら現場に着くと、筵をかけられた亡骸が二人を待っていた。それを見て、小五郎の心臓がどきりと鳴った。筵の上からでも、体が小さいことがわかる。子供だ。そして、ちらりと見える着物には、見覚えがあった。津田も筵の下の姿を察したのか、沈痛な顔をしている。同心たちの到着を待っていた目明しが、筵をめくった。
 甚太だった。血の気のない頬、投げ出された手足。最後に見たのは、力いっぱいに駆けていく背中だった。それが、今は変わり果てた姿で、横たわっている。小五郎は、眉間にぐっと力をこめた。隣の津田が、大きなため息をついた。
「旦那、お願いします。」
 目明しに促されて、甚太の横にしゃがみこむ。身体を調べてみると、首にあざがあるのがわかった。
「首を絞められたのか。津田さん、見てください。」
「・・・・・・ああ。」
 振り返ると、津田は甚太の遺体から目をそらそうとしているようだった。
「首を、絞められたんだな。」
「ええ。でも、ずいぶんと大きな手です。ほら、私のと比べても、かなり違う。」
 相当な力で締められたようで、甚太の首にはくっきりと手の跡が残っていた。それに小五郎の手を重ね合わせてみたが、大きさの違いは歴然だった。
「下手人は、男。しかも、かなりの大男ですね。」
 小五郎が言うと、津田も頷いた。
「きっと、すぐに捕まるでしょう。報告書は、私が書いておきますから。」
 津田は、見るに耐えぬというように立ち上がった。小五郎は、もう一度甚太を見た。せめて胸の前で手を組ませてやろうと手を取ると、爪がはがれ落ちているのがわかった。甚太も激しく抵抗したのだろう。これならば、きっと相手はひどい引っかき傷を負ったに違いない。小五郎は、握ったこぶしに力をこめ、立ち上がった。






7はこちらから。


そろそろ苦しい。
でも、まだ全員じゃない。
経師屋~、いつ出て来るんだよ~!



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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

[2009/09/02 21:33] | 二次創作 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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